東京都創業助成金のスケジュール・要件・対象経費|行政書士・元銀行員がわかりやすく解説
【2026年3月15日更新】
東京都の創業助成金(創業助成事業)は、都内の開業率向上を目的として、 都内で創業予定または創業後5年未満の個人・法人等が負担する創業初期コストの一部を支援する制度です。 本稿では、令和8年度の最新スケジュール、申請要件、助成対象経費などの主要ポイントについて、 銀行および投資銀行での勤務経験を有する行政書士・古森(こもり)が、実務的な観点からわかりやすく解説します。
当事務所と提携先の行政書士藤原七海事務所(あわせて、なないろバックオフィス)では、 東京都の創業助成金(創業助成事業)のほか、小規模事業者持続化補助金(創業型)の支援実績もございます。 両名とも東京都行政書士会所属です。

2026年(令和8年度)の募集スケジュール
東京都の創業助成金(創業助成事業)は、国の電子申請システム「jGrants」を通じて申請します。 令和8年度は第1回・第2回のスケジュールが公表されています。 なお、令和8年度第1回の募集要項は公開済みで、電子申請マニュアルおよび募集要項説明動画は3月下旬公開予定です。
| 項目 | 第1回 | 第2回 |
|---|---|---|
| 申請受付期間 | 2026年4月7日(火) ~ 4月16日(木) | 2026年9月29日(火) ~ 10月8日(木) |
| 書類審査 | 2026年4月~6月中旬 | 2026年10月~12月上旬 |
| 面接審査 | 2026年7月2日(木)~7月9日(木) | 2027年1月6日(水)~1月14日(木) |
| 交付決定(予定) | 2026年9月1日(火) | 2027年3月1日(月) |
| 助成対象期間 | 交付決定日から6か月以上2年以内 (最短:2027年2月28日/最長:2028年8月31日) | 交付決定日から6か月以上2年以内 (最短:2027年8月31日/最長:2028年2月29日) |
| 中間払の利用 | 助成対象期間開始から6か月経過後に申請可 | |
中間払とは
中間払は、助成対象期間の開始日から6か月経過後に申請でき、期間内にすでに支払済の助成対象経費について 一部精算を受けるための手続きです。残額は事業完了後の完了後払で精算します。

GビズID / 電子申請の準備
申請にはGビズIDプライムの取得が必要です。申請方法は電子申請(jGrants)のみで、紙提出はできません。 令和8年度第1回の電子申請マニュアルは3月下旬公開予定です。
スケジュール上の注意事項
・交付決定前に契約・発注・購入した経費は助成対象外です。
・助成対象となるのは、助成対象期間内に「契約・履行・支払」が完了したものに限られます。
・本助成金は後払い(中間払・完了後払)です。助成金入金前の資金繰りも考慮した計画が必要です。
・申請は電子申請(jGrants)のみで、紙提出はできません。
申請の要件
東京都創業助成金の申請には、「申請者区分」「創業支援事業の利用」「事業実施に関する条件」 「重複助成・納税地等に関する条件」など、募集要項上の申請要件1〜4をすべて満たす必要があります。 令和8年度は、指定された創業支援事業の区分が22類型となっており、 申請前にいずれか一つの要件を満たしていることが必要です。
申請できる方(申請者区分)
| 申請者区分 | 主な条件・該当例 |
|---|---|
| 創業予定者 | 都内での創業を具体的に計画している個人で、創業予定場所が都内であること |
| 創業後5年未満の法人代表者 | 法人設立登記から5年未満で、本店(士業法人は主たる事務所)が都内に登記され、 都内で実質的に事業を行っていること |
| 創業後5年未満の個人事業主 | 開業届提出から5年未満で、納税地と主たる事業所等が都内にあり、 都内で実質的に事業を行っていること |
| 創業後5年未満の特定非営利活動法人の代表者 | 主たる事務所が都内に登記され、都内に実在し、実質的に事業を行っていること等、 募集要項の条件を満たすこと |
※ 個人事業主・法人の登記上の代表者として通算5年以上の経営経験がある方は対象外です。
※ みなし大企業に該当する方、個人開業医の方なども対象外です。
※ 申請要件2として、指定された22の創業支援事業のいずれか一つを申請日までに満たす必要があります。
事業実施に関する要件(共通)
- 都内で実質的に事業を継続して行うこと(バーチャルオフィスやシェア・コワーキングは、実態が伴う場合のみ可)
- 助成対象経費は、助成対象期間内に契約・履行・支払が完了する見込みで計画すること
- 同一経費について、他の国・都・区市町村等の補助・助成と重複させないこと
創業支援事業の利用に関する要件
募集要項で指定された創業支援事業のいずれかを、所定の期間・回数・方法で利用していることが申請の必須要件になります。 利用実績は、受講修了証や参加証明、相談記録などの証憑で確認されます。
- 対象となる創業支援事業は公社・都・区市町村・金融機関・大学等が実施する複数のメニューから選べます。
- それぞれに「利用時期」「必要回数・時間」「提出物」など細かな条件があります。該当メニューを選び、証憑が揃う形で計画してください。
東京都の創業助成金で対象となる創業支援事業の一覧
| 区分 | 創業支援事業名 | 運営主体 | 利用要件(要約) | 主な該当者 |
|---|---|---|---|---|
| ① | プランコンサルティング | 東京都中小企業振興公社(TOKYO創業ステーション/TOKYO創業ステーションTAMA) | 事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内に証明を受けた方 | 創業予定者/創業後5年未満 |
| ② | 東京シニアビジネスグランプリ | 東京都中小企業振興公社 | 前年度以前の過去3か年度の期間内にファイナリストまで進んだ方 | シニア起業等 |
| ③ | 事業可能性評価事業 | 東京都中小企業振興公社 | 当年度または前年度以前の過去3か年度の期間内に「事業の可能性あり」と評価され、継続的支援を受けている方 | 全般 |
| ④ | 商店街開業プログラム(商店街起業促進サポート事業) | 東京都中小企業振興公社 | 当年度または前年度以前の過去3か年度の期間内に受講修了した方 | 商店街での開業等 |
| ⑤ | 東京都設置の創業支援施設への入居 | 東京都/東京都中小企業振興公社 | 対象施設に入居している方、または以前に入居していた方 | 全般 |
| ⑥ | 認定インキュベーション施設への入居 | 東京都インキュベーション施設運営計画認定事業の認定施設 | 認定後(新設施設は運営開始後)6か月以上継続入居し、インキュベーションマネージャーから個別具体的支援を継続して受けている方、または以前に受けていた方 | 全般 |
| ⑦ | 公的機関・金融機関・大学等が設置した創業支援施設への入居 | 中小機構/都内区市町村/地方銀行/信用金庫/信用組合/国公立大学/私立大学 等 | 都内所在の創業支援施設と1年以上の賃貸借契約を締結して入居している方、または過去3か年の期間内に入居していた方 | 全般 |
| ⑧ | 青山スタートアップアクセラレーションセンター アクセラレーションプログラム | 青山スタートアップアクセラレーションセンター | 受講している方、または以前に受講していた方 | 成長志向の創業者 |
| ⑨ | TCIC アクセラレーションプログラム/TCIC Ideation Program | 東京都 | TCIC PitchCampus または TCIC Ideation Program(TCIC IP)のいずれかに採択された方 | コンテンツ・クリエイティブ等 |
| ⑩ | TCIC IP INNOVATION AWARD | 東京都 | 前年度以前の過去3か年度の期間内にファイナリストまで進んだ方 | コンテンツ・クリエイティブ等 |
| ⑪ | TOKYO Co-cial IMPACT スタジオプログラム | 東京都 | 採択された方 | ソーシャル・インパクト |
| ⑫ | 世界に羽ばたくアニメーター等の育成支援事業 | 東京都 | 「現代版トキワ荘」起業家育成プログラムに採択された方 | アニメ・クリエイティブ分野 |
| ⑬ | TOKYO STARTUP GATEWAY | 東京都 | 前年度以前の過去3か年度の期間内にセミファイナリストまで進んだ方 | 創業初期・アイデア段階 |
| ⑭ | 東京都女性ベンチャー成長促進事業(APT Women) | 東京都 | 国内プログラム(アクセラレーションプログラム)を受講している方、または以前に受講していた方 | 女性起業家 |
| ⑮ | 女性・若者・シニア創業サポート事業/2.0 | 取扱金融機関(信用金庫・信用組合) | 当該事業に係る融資を受け、その証明を受けた方 | 資金調達を伴う創業 |
| ⑯ | 東京都中小企業制度融資(創業融資) | 取扱金融機関 | 東京都中小企業制度融資(創業)を利用している方 | 資金調達を伴う創業 |
| ⑰ | 区市町村の中小企業制度融資(創業者向け) | 都内区市町村/取扱金融機関 | 創業者を対象とした東京信用保証協会の保証付き制度融資を利用している方 | 資金調達を伴う創業 |
| ⑱ | 東京都出資のベンチャー企業向けファンドからの出資等 | 東京都 | 東京都が出資するベンチャー企業向けファンドからの出資等を受けている方 | スタートアップ全般 |
| ⑲ | 政策金融機関の資本性劣後ローン(創業) | 政策金融機関 | 資本性劣後ローン(創業)を利用している方 | スタートアップ全般 |
| ⑳ | 認定特定創業支援等事業 | 都内区市町村 | 支援を受け、過去3か年の期間内に区市町村長の証明を受けた方 | 創業予定者/創業後5年未満 |
| ㉑ | 認定特定創業支援等事業に準ずる支援 | 東京商工会議所/東京信用保証協会/東京都商工会連合会/中小企業大学校東京校BusiNest | 支援を受け、過去3か年の期間内にその証明を受けた方 | 創業予定者/創業後5年未満 |
| ㉒ | 高校生起業家養成プログラム(起業スタートダッシュ) | 東京都 | 前年度以前の過去3か年度の期間内に「養成講座」を修了した方 | 高校生起業家等 |
まだ要件を満たしていない場合
直近で指定創業支援事業の利用実績がない方は、選択肢の一つとして⑯ 東京都中小企業制度融資(創業融資)の活用が検討しやすいです。取扱金融機関が広く、通年で相談・申込みができるため、 他のプログラム(募集期間・採択があるもの等)に比べ、スケジュールを組みやすいという 実務上のメリットがあります。
- 前提として与信審査があり、事業計画・自己資金・信用情報等の条件を満たす必要があります。
- 融資実行後、募集要項で定められた形式の証明書類を取得し、申請に添付します。
- 申請期限に間に合うよう、金融機関への事前相談・必要書類の準備を早めに進める必要があります。
補助の上限額と補助率
東京都創業助成金の助成率は対象経費の2/3以内です。 総額の上限は400万円、下限は100万円です。内訳の上限である「事業費+従業員人件費」で最大300万円、 「委託費(市場調査・分析費)」で最大100万円の範囲で組み合わせます。
| 区分 | 主な内容 | 助成率 | 上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1.総額 | 本助成金で申請できる合計額 | 対象経費の2/3以内 | 上限 400万円(下限 100万円) | 内訳の合算がこの範囲内であること |
| 2.事業費+従業員人件費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費 など | 上限 300万円 | 総額の上限(400万円)と併せて管理 | |
| 3.委託費(市場調査・分析費) | 外部委託による市場調査・データ分析 等 | 上限 100万円 | 「事業費+人件費」と合算して総額上限内に収める |
注意:本助成金は後払い(中間払・完了後払)方式です。申請時の見積に基づく計画額に対し、 実績精算で確定します。具体的な対象品目や計上ルールは募集要項の各経費区分の定義に従ってください。
対象経費の区分と範囲
本助成金で対象となる費用は、3つに分かれます。日々の運営に使う「事業費」、雇用にかかる「従業員人件費」、そして外部に調査を依頼するための「委託費(市場調査・分析)」です。
1)事業費
- 主な内訳として、賃借料(オフィス・店舗等)、広告費、器具備品購入費、産業財産権の出願・導入費、専門家指導費などが含まれます。
- 賃借料などの継続費用は、助成対象期間に対応する月分のみを計上します。
2)従業員人件費
- 雇用契約に基づいて支払う従業員の給与等が対象になります。助成対象期間内に支払済である必要があります。
- 給与台帳や賃金台帳、勤怠・給与振込の記録など、支払実績を客観的に示す資料を整えておくことが求められます。
3)委託費(市場調査・分析)
- 外部への「市場調査・データ分析」等に限定され、上限は100万円です。
- 委託先との契約内容(調査の目的・成果物・対価・納期等)を明確にする必要があります。
- 制作・開発・運用などの外注は、性質に応じて事業費に該当する場合があります。計上区分は、契約内容と募集要項の定義に照らして判断します。
区分の使い分け・計上と精算の注意点
- 助成率はすべて対象経費の2/3以内です。「事業費+従業員人件費」は上限300万円、「委託費(市場調査・分析)」は上限100万円で、合計の上限は400万円(下限100万円)となります。
- 「従業員人件費のみ」「委託費のみ」またはその両方のみで申請することはできず、事業費の計上が必要です。
- 助成対象となるのは、助成対象期間内に契約・履行・支払がすべて完了した経費です(分割支払の場合も期間内に全額支払済である必要があります)。
- 交付決定前に発注・契約・購入したものは対象外です。
- 同一経費で国・都・区市町村等の他制度と重複して助成を受けることはできません。
- 計上する経費は、都内での事業活動に必要かつ妥当な範囲のみが対象です。
- 本助成金は後払いです(中間払・完了後払)。契約書・請求書・納品/検収・領収書・振込明細などの証憑を適切に保存してください。
まとめ
東京都創業助成金の申請では、要件に沿いつつ、制度の目的(都内の開業を促進し、創業初期の事業を立ち上げ・定着させること)を踏まえた事業計画と対象経費の内訳(経費計画)を策定して申請することが重要です。 また、指定創業支援事業の利用などの申請要件を満たすことに加え、採択に向けては、本稿で紹介した必要書類をきっちり揃え、審査で評価されるポイントを押さえることが重要です。 筆者は、銀行および投資銀行での勤務経験を持つ行政書士として、一貫性のある財務データに裏付けられたストーリー性のある事業計画の作成を得意としています。
また、当事務所では、当事務代表と同様に知識と経験が豊富な提携先の行政書士と共同で、単独受任時と変わらない報酬体系での支援も行っています(なないろバックオフィス)。 東京都創業助成金(創業助成事業)の支援実績も豊富です(小規模事業者持続化補助金〔創業型〕の支援実績もございます)。
とくに「初めてで不安」、「申請書をうまく作れない」と感じている方は、お気軽にご相談ください。 LINE・フォーム・お電話から、初回無料でご相談いただけます。安心・確実な申請をご支援いたします。
提携先:行政書士藤原七海事務所
参考法令・資料
- 東京都創業助成事業 令和8年度(第1回)募集要項(公益財団法人東京都中小企業振興公社)
- TOKYO創業ステーション「創業助成事業」サービス紹介ページ
- 東京都中小企業振興公社「助成金」ページ(創業助成事業)
今すぐ相談(全国対応、無料相談、土日歓迎)

行政書士
基本情報技術者
J.S.A. ワインエキスパート
古森洋平 Yohei Komori
LINE / Zoom(全国対応、無料相談、土日祝日可)
LINEでの問い合わせ・お申込みはこちらのQRより

代表の行政書士が執筆した関連記事

小規模事業者持続化補助金の必要書類と提出方法|行政書士・元銀行員がわかりやすく解説
2025年8月1日

小規模事業者持続化補助金 事業計画書と書き方と審査のポイント|行政書士・元銀行員がわかりやすく解説
2025年8月12

小規模事業者持続化補助金の対象経費について行政書士が詳しく解説します!
2025年7月11日

小規模事業者持続化補助金 第18回公募 ― 要件、スケジュール、対象経費、申請のポイント
2025年7月2日

小規模事業者持続化補助金における加点、銀行出身の行政書士が解説します
2025年7月21日

2025年-ものづくり補助金の第20次公募要領 ― 要件、申請の流れ、対象経費を 解説
2025年3月10日

2025年-ものづくり補助金の事業計画の書き方
2025年5月15日

中小企業新事業進出補助金 - 申請要件、対象経費、スケジュールを行政書士が解説!
2025年4月11日
