小規模事業者持続化補助金 第19回公募 ― 要件、スケジュール、対象経費、申請のポイントを行政書士が詳しく解説

【2026年3月15日更新】
中小企業庁が実施する「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>」は、物価高騰、賃上げ、インボイス制度への対応など、経営環境の変化に直面する小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取組に対して、その経費の一部を補助する制度です。 本稿では、第19回公募の最新スケジュール、補助対象経費、申請要件、特例措置、加点項目などの主要ポイントについて、銀行および投資銀行での勤務経験を有する行政書士・古森(こもり)が、実務的な観点からわかりやすく解説します。 なお、当事務所と提携先の行政書士藤原七海事務所(あわせて、なないろバックオフィス)では、小規模事業者持続化補助金の支援実績が多数ございます。 2025年の直近の採択発表分でも採択実績が多数ございます。

小規模事業者持続化補助金 2026年 ― 要件、スケジュール、対象経費、申請のポイントを詳しく解説

「創業型」は、創業後1年以内の小規模事業者(創業前を含みます)が対象の特別な枠です。 一般型・通常枠の補助上限額が50万円であるのに対し、創業型では補助上限額が200万円となっており、特例を活用した場合は最大250万円まで補助を受けられます。 もっとも、創業型では、特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書が必要であるなど、一般型とは別の要件があります。 本稿では一般型・通常枠を中心に解説します。

補助金の目的と支援対象

小規模事業者持続化補助金の全体像を理解し、採択に向けた準備を進めるために、まずは本制度の目的を確認しておきましょう。 公募要領上のキーワードは、販路開拓等の取組生産性向上です。 検討している事業が補助対象となるか、採択可能性があるかを判断するうえで、この2点はとても重要です。

小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。 本補助金事業は、自ら策定した持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

小規模事業者持続化補助金の採択率

一般型・通常枠について、現時点で公表済みの直近の採択率は第17回公募の51.1%です。

公募回申請数採択数採択率
第17回23,36511,92851.1%

創業型について、現時点で公表済みの採択率として確認できるのは第1回公募の37.9%です。

公募回申請数採択数採択率
第1回3,8831,47337.9%

第19回公募のスケジュール

補助金の申請は電子申請システムを利用して行います。 第19回公募のスケジュールは次のとおりです。 小規模事業者持続化補助金の申請には、地域の商工会または商工会議所が発行する 「様式4(事業支援計画書)」が必須です。 そのため、様式4の受付締切日までに事業計画の大枠を固めておくことが実務上とても重要です。

項目日程
公募要領公開2026年1月28日(水)
電子申請受付開始2026年3月6日(金)
様式4発行受付の締切2026年4月16日(木)
申請締切2026年4月30日(木)17:00【厳守】
採択発表2026年7月頃予定
補助事業実施期間交付決定日から2027年6月30日(水)まで
実績報告書提出期限2027年7月10日(土)
小規模事業者持続化補助金のスケジュール

GビズID

補助金の申請にあたっては、事前にGビズIDプライムの取得準備を進めておくのが安全です。

オンライン申請の場合

マイナンバーカードを利用したオンライン申請では、最短即日でGビズIDプライムアカウントが発行される場合があります。

書類申請の場合

書類郵送による申請では、書類到着後の審査に1週間程度かかるのが目安です。

スケジュール上の注意事項

・交付決定前に発注・契約・購入した経費は補助対象外です。
・見積取得までは通常可能ですが、発注や支払いのタイミングには注意が必要です。
・採択と交付決定は別の手続です。採択後には見積書等の提出が求められ、交付決定日以降に補助事業を開始できます。

要件(補助対象者)

補助金の対象となるのは、日本国内に所在する小規模事業者等です。 小規模事業者に該当するかどうかは、業種ごとの常時使用する従業員数で判定されます。 常時使用する従業員には、会社役員、個人事業主本人、一定の親族従業員などが含まれない点に注意が必要です。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

そのほか、現行公募要領では次のような点も要件・注意点として重要です。

  • 法人の場合、資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%保有されていないこと
  • 直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  • 過去に持続化補助金で採択・実施した場合、事業効果報告書を期限までに提出していること
  • 創業型との重複申請はできないこと

補助の上限額と補助率

小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の補助上限額と補助率は次のとおりです。

項目内容
補助率2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
補助上限額50万円
補助上限額(インボイス特例)+50万円:100万円
補助上限額(賃金引上げ特例)+150万円:200万円
補助上限額(両特例を満たす場合)+200万円:250万円
賃金引上げ特例、赤字事業者とは

補助事業実施期間中に、事業場内最低賃金を申請時より50円以上引き上げた事業者は、 「賃金引上げ特例」の対象となります。 さらに、直近の事業年度が赤字であるなど一定の追加要件を満たす場合には、 補助率が通常の2/3から3/4に引き上げられます。

インボイス特例とは

インボイス特例は、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者に対し、 補助上限額を一律50万円上乗せする特例です。 2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった事業者、 または2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録が確認できた事業者が対象です。

小規模事業者持続化補助金の審査項目

小規模事業者持続化補助金では、事業計画が主な審査対象です。 審査は主に以下の観点に基づいて総合評価され、評価が高い事業者から順に採択されます。

① 自社の経営状況分析の妥当性

自社の現状、課題、強み・弱みを適切に把握できているかが問われます。

② 経営方針・目標と今後のプランの適切性

経営方針や目標が明確で、市場ニーズや顧客ニーズを踏まえた内容になっているかが評価されます。

③ 補助事業計画の有効性

補助事業の内容が具体的で、実現可能性が高いことに加え、ターゲット市場にとって新たな価値を生み出す内容かが重視されます。 また、デジタル技術の活用が盛り込まれているかも評価要素の一つです。

④ 積算の透明性・適切性

補助事業計画に照らして必要な経費か、積算が明確で適正かが確認されます。

補助対象経費

補助対象経費は、以下のような項目が含まれます。 ここでも、販路開拓等の取組と生産性向上の取組という制度目的に沿っているかが重要です。

① 機械装置等費

補助事業の遂行に必要な機械・設備の購入等に要する費用

例:業務用冷蔵庫、製造機械、特殊プリンターなど

※ 通常の更新目的や営業活動と無関係な備品は対象外

② 広報費

商品やサービスの宣伝を目的とする印刷物や広告の費用

例:チラシ、ポスター、カタログ、DM発送、看板設置など

※ 名刺、求人広告、単なる会社案内は対象外

③ ウェブサイト関連費

ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費

例:ホームページ作成、ECサイト構築、SEO関連施策、ネット広告等

ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。
※ ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額および確定時に認められる補助金総額の1/4(最大50万円)が上限です。

④ 展示会等出展費

展示会・商談会への出展に必要な費用

例:出展料、機材運搬費、通訳費等

※ オンラインによる展示会・商談会等も含まれます

⑤ 旅費

販路開拓等を行うための旅費

例:展示会や商談会への出張に伴う交通費・宿泊費

⑥ 新商品開発費

新商品の試作品開発等に伴う経費

⑦ 借料

機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)

⑧ 委託・外注費

店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼する費用

※ 原則として契約が必要です

事業計画と加点項目

審査項目とは別に、現行公募要領では加点制度が設けられています。 加点は、「重点政策加点」から1種類「政策加点」から1種類の、合計2種類まで選択できます。 したがって、使えそうな加点を並べるのではなく、自社に適合するものを戦略的に選ぶことが重要です。

重点政策加点の主な例

赤字賃上げ加点、事業環境変化加点、東日本大震災加点、くるみん・えるぼし加点

政策加点の主な例

賃金引上げ加点、地方創生型加点、経営力向上計画加点、事業承継加点、過疎地域加点、一般事業主行動計画策定加点

とくに全国的に活用しやすいものとしては、賃金引上げ加点、経営力向上計画加点、一般事業主行動計画策定加点などが候補になりやすい一方、 近時は物価高騰等の影響を踏まえた事業環境変化加点も重要です。 いずれも要件未達だと加点だけでなく補助金交付に影響するものがあるため、申請時点と事業終了時点の両方を見据えて選ぶ必要があります。

申請書類と事後報告の義務

申請にあたっては、企業情報、事業計画書(様式2)、経費明細、各種宣誓・同意、決算書類、特例・加点に関する証明書類など、多数の書類が必要です。 また、採択後は見積書等の提出、交付決定後の事業実施、実績報告書の提出、精算払い請求という流れになります。 さらに、補助事業の完了から1年後には、事業効果報告書(交付規程様式第14)の提出が必要であり、 これを提出しないと次回以降の持続化補助金に申請できなくなる点にも注意が必要です。

まとめ

小規模事業者持続化補助金の申請では、単に「販促に使える補助金」と考えるのではなく、 制度の目的に沿った経営計画と補助事業計画を作り込むことが重要です。 とくに第19回公募では、スケジュール管理、様式4の取得、加点戦略、特例要件の見極めが採否を左右しやすいポイントになります。

筆者は、銀行および投資銀行での勤務経験を持つ行政書士として、一貫性のある財務データに裏付けられたストーリー性のある事業計画の作成を得意としています。 また、当事務所では、当事務代表と同様に知識と経験が豊富な提携先の行政書士と共同で、 単独受任時と変わらない報酬体系での支援も行っています(なないろバックオフィス)。

とくに「初めてで不安」「自社に合う特例や加点がわからない」「事業計画書をうまくまとめられない」と感じている方は、お気軽にご相談ください。 LINE・フォーム・お電話から、初回無料でご相談いただけます。

提携先:行政書士藤原七海事務所

参考法令・資料

  1. 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第19回公募 公募要領(第6版)
  2. 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> ガイドブック 第3版
  3. 中小企業庁「持続化補助金<通常枠>」概要資料(2026年1月28日時点版)
  4. GビズID公式サイト

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Yohei Komori

行政書士
基本情報技術者
J.S.A. ワインエキスパート
古森洋平 Yohei Komori

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