酒類販売業免許の取得の難しさ

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本稿では、酒類販売業免許を取得することの難しさについて、J.S.A.ワインエキスパート資格を有する行政書士である筆者が整理し、考察いたします。

まず前提として、お酒をボトルのまま販売するには「酒類販売業免許」が必須です。たとえば飲食店でボトルを入れる場合は、店内で飲むことが前提になっているため問題はありません。しかし、飲食店が「酒類販売業免許」を持たないまま、お客さまに持ち帰り用として未開栓のワインを販売する行為は、酒税法違反に該当します。

また、一般の方が仕入れたワインを業として販売することも、同様に法に抵触しますので十分ご注意ください。 酒類の取扱いは、免許制度によって厳格に管理されており、正しい理解が不可欠です。

酒類販売業免許の取得の難しさ

酒類販売業免許の要件を読み解くのが難しい

酒類販売業免許は、単に申請書を整えるだけでは足りません。酒税法や国税庁通達に基づく複数の要件を満たす必要があり、条文と解釈を正確に読み解くこと自体が難易度の高い作業です。 代表的な論点の一つが、いわゆる需給調整要件です。

酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため、 酒類の製造免許又は酒類の販売業免許を与えることが適当でないと認められる場合

出所:酒税法10条11号

11号に該当する場合は許可しないとの本文なので、このような書き方になっています。ただし、前段の『酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため』という要件を正しく理解し、具体的なケースに当てはめるには、この条文の制定経緯や沿革まで含めて把握する必要があります。また、「通信販売酒類小売業免許」と「一般酒類小売業免許」の違い、どちらを取得すべきか、あるいはいずれも取得すべきかといった点も、やや解釈が難しい部分です。 なお、当事務所では、要件の説明や判断に関する相談料は何回でも無料で、要件を満たしていると判断した場合に限り、報酬をいただいて受任しています。

需給調整要件の概要と整理はこちら:

一般酒類小売業免許における需給調整要件

免許類型の違いと選び方の視点はこちら:

一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の違い

酒類販売業免許の申請・取得にあたってとくに難しい要件

酒類販売業免許の申請と取得にあたっては4つの要件がありますが、その中でも特に満たすことが難しいとされるのが、経営基礎要件に定められた人的要素です(通信販売酒類小売業免許では一部緩和があります)。この要件では、申請者に対して酒類業界での経験と、経営者としての経験(またはこれに準じる経験)が求められます。例えば、酒類業界での勤務経験がない会社員が独立して免許取得を目指す場合、充足が難しい要件となります。

しかし一方で、酒類業界の直接的な経験や経営経験がなくても、それらに準ずる十分な知識や実務経験を備えていると認められる場合には、申請や免許取得が可能になるケースもあります。したがって、免許の取得を検討されている方は、自身の経歴や知識の裏付けを丁寧に整理しておくことが重要です。

当事務所でも酒販免許を受任する際、まず申請者の経歴やバックグラウンドを丁寧にヒアリングしています。 その上で、申請書に添付する書類の中でも、とくに経営基礎要件に関連する部分を重点的に整え、要件を満たすことを明確に示せる内容となるよう作成しています。

  • 業界経験が乏しい場合:補うべき知識・体制の提示が鍵
  • 経営経験が乏しい場合:準ずる実績・役割の明確化が有効

経営基礎要件については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。

一般酒類小売業免許における経営基礎要件

まとめ

事前相談は義務ではありませんが、実施することで不許可のリスクや申請後の補正がぐっと減ります。これは、免許制度の趣旨と各要件の解釈を踏まえ、計画の適合性や提出資料の整合を事前に確認できるためです。 なお、当事務所では毎回事前相談を実施し、その結果を反映して申請内容と添付書類を適切に整えています。

酒類販売業免許申請の手続きは、初めての方には少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、酒類販売業免許を専門とする行政書士である当事務所では万全のサポートをします。 LINE、問い合わせフォーム、または、お電話にてお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです(相談料無料)。

提携先:行政書士藤原七海事務所

藤原・古森の両名は、2人ともJ.S.A.ワインエキスパート資格を有する行政書士です。単独受任時と変わらない報酬2名のダブルチェック体制により、申請を迅速にサポートします。相談料は無料です。

参考法令・資料

  1. 酒税法
  2. 国税庁「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達」
  3. 国税庁「一般酒類小売業免許申請の手引」令和5年7月改訂版
  4. 国税庁「お酒に関するQ&A(よくある質問)」

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Yohei Komori

行政書士
基本情報技術者
J.S.A. ワインエキスパート
古森洋平 Yohei Komori

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